古宇利島 沖縄を知りたい 沖縄旅行前に読みたい

神の宿る島古宇利島を完全網羅!沖縄県古宇利島は人類発祥の地?!【むかし話編】

5月 24, 2019

神の宿る島古宇利島を完全網羅!沖縄県古宇利島は人類発祥の地?!【むかし話編】

ハイタイ!

東京から沖縄に移住して8年目、シンママフリーランスのRIKA(@rikaokda)です。

古宇利島(こうりじま)は古宇利大橋とハートロックで有名ですが、
実は人類発祥のむかし話が言い伝えられている、古来より縁結びに所縁のある島なんですね。
以前古宇利の区長さんよりいただいた資料を元に、
そのむかし話を紹介したいと思います。
皆さんがパッと見てパッと帰っている古宇利島。
深いところまで知ると、見る視点が変わるはず。
島に言い伝えられている話を聞いてから訪れると
また違った風景に見えて来ます。
是非、古宇利島に行く前にご一読ください。

沖縄県古宇利島の人類発祥の話

昔々、古宇利島に男の子と女の子が住んでいました。
二人は裸で、毎日天から神様が落としてくれる餅を食べて暮らしていました。
ところが、二人はだんだん知恵が付いて来て、食べ残した餅を蓄えるように。
それを知った神様はその日から餅を落とすのを止めてしまいました。

二人は驚き悲しんで天のお月様に向かって、
トートーメサイ トートメサイ(お月様、お月様!)
ウフモチヤトゥムチ、ウタビミショリ(大きな大きな餅を恵んでください)
と何回も哀願しましたが、二度と餅は落ちて来ませんでした。

それからの二人は生きるために働かなければなりません。
ある日、二人は浜辺で海馬(ザン)の交尾するのを見て、
初めて男女の交わりを知り、お互いに裸でいることが恥ずかしくなり
クバの葉で身体を覆うようになりました。
古宇利島の住民はこの二人の子孫であり、ここから琉球の島々に人々が増えていきました。
(参考資料:古琉球・沖縄県国頭郡志)

古宇利島の人類発祥の話が生まれた浜で行われるウンジャミ(海神祭)

この沖縄版『アダムとイブ説』で知られている浜が『チグヌ浜』。
古宇利大橋から古宇利島に入って左に向かうとぶつかる浜です。
このチグヌ浜では毎年ウンジャミ(海神祭)と呼ばれる
古くから伝わる祭司行事のひとつが行われます。
神人(かみんちゅ)が豊漁、豊作、航海安全、島の繁栄などを祈るお祭り。
2日に渡って行われるウンジャミ(海神祭)は、
1日目がノロさん(神様に祈りを捧げる村の神女・祝女)によるお祈り
2日目には漁港でハーリーが開催され、夕方は豊年祭となります。
お祈りや豊年祭は基本的に観光客がワイワイガヤガヤ見物するのはタブーですが(神聖なことなので)、
2日目のハーリーの見学は可能!
それについてはまた次の記事でご紹介します。

古宇利島はこのように、昔から言い伝えられている人類発祥の話のもと、
神聖な儀式が毎年執り行われている、とても神秘的な島なのです。

ちーあんめー(乳尼)の話

「ちーあんめー」はあの世から、赤ん坊を迎えにやってくる霊のことです。
昔、トゥンジ浜の坂の上に一本の大きな松がありました。
その松の下に赤ん坊が死ぬのを待ちわびるかのように
チーアンメーの霊が立っていたそうです。

トゥンジ浜の横の崖の中腹にはアカングヮー(赤子)墓という共同の墓があり
亡くなった赤ん坊を葬っています。
チーアンメーが立つと、1週間以内に赤ん坊が亡くなり、続けて立つと
今日も明日も死んでいったと言われています。

「ちーあんめー」が西に向いて立つときは島の西から、東を向いているときは東側から赤子が死に、
5、6日前から赤ん坊の死を予兆していたと言われています。
(玉城信男 くいぬ島 むかし語りから)

見解

この話に出てくるトゥンジ浜は、古宇利大橋を渡ってすぐ右手の浜。
今や沢山の観光客が来てくださる場所ですが
左の浜に比べて右の浜は急に深くなっていて、ちょっと危ないなー、と
なんか、左の浜と違うなーと思っていましたが
この説を聞いてそういう事だったのか!と納得しました。
解釈は人それぞれ。
ですが、古宇利島は神様にとても近い島であるため
許されていない場所に立ち入ったり腰かけたり等は
絶対にしない方が良いと思います。

セーマに押されたカマドゥーばあさん

むかし、島のプーチャー屋の東側に大きなガジマルの木がありました。
しかし、空襲で家が焼けたときにあぶられ枯れてしまいました。
戦前までは勢いよく繁り、大人三人で抱えるほどの大木で、枝が7mから10mほども広がり
台風のときの風よけや真夏の涼み場となっていました。

夏の熱い昼下がり、カマドゥーばあさんが昼寝をしていると、
ガジマルの木の上で赤肌で赤毛の髪のセーマが、なにやら取って食べているのをおぼろげながら見てしまいました。
すると急に眠くなったり、気が遠くなったりしたので、こわくなって起きて逃げようとしたが、体が動きません。
大声で助けを求めても声がでません。
外で人の声が聞こえますが、どうにもなりません。
もがくと苦しくなるばかり。

しばらくして、セーマの押さえはとけたが、手足がガタガタ、心臓はドキドキ、胸の圧迫感が残 っていました。
カマドゥーばあさんは、それ以来セーマを見たことはないが、セーマのしのびの術に度々かかっていたようです。
セーマに押さえられることを繰り返していると、こわさはなくなり、やってくると吸い込まれたように寝床につき、いつの間にか押さえられ、手足の動きがとれず、胸が圧迫され声が出せなかったということです。
(玉城信男 くいぬ島 むかし語りから)

ガジマルの木に宿る精霊

セーマというのは、キジムナーのようです。
キジムナーは子供の形をしていてる精霊。
古木に住んでいて、人間と仲良くなるといつでも魚が食べられるようになり、お金持ちになれるが、蛸や熱い鍋の蓋をぶつけたり、古木のまたに釘を打つと出てこなくなると言われています。
この昔話からキジムナーの説は生まれたのでしょうかね。
キジムナーは赤ちゃんには見えるそうですよ!
かじまるを見てキャッキャキャッキャする娘を見て、
「キジムナーが遊んでくれてるねー」とよく言われました。

古宇利島は古宇利大橋とハートロックだけではない!

波で削られ作られたポットホール
ノッチ

古宇利島の2大観光名所、古宇利大橋とハートロック。
この2箇所だけ回って帰るのにはとても惜しい島。
古宇利大橋は2005年2月より運用が開始したのですが、
それまでは船でしか行けない島でした。
観光地化されていないその島は豊かな自然と豊かな作物に囲まれ
神々の言い伝えを大切にする神秘的な島として島民から愛され守られて来ました
島の男の人たちはウミンチュ(海人)として漁に出て、
女性は家と島を守る、そんな昔ながらの島の生活をしていたようです。
今は古宇利大橋が開通したお陰で素晴らしい景色を私たちに与えてくれ
そして訪問する機会を与えてくれた。
けど一方でその間に失われた島の美が沢山あると思います。
橋が立つという事は、大きな柱を海にぶっ刺すという事。
となると海の中では海流も変わり珊瑚も壊され
海の漁を生業にして来た島の人たちにとってそれはそれは、
とても大きな決断だったと思います。
その決断の上でこの観光地が出来た、という事であり、
昔から住んでいる島民の方に感謝の気持ちを持ち続けたいと思っています。

なので、
立ち入り禁止のエリアには入らない
ゴミは持ち帰る
むやみに狭い道をスピードを出して走らない
等の基本的な事は守り、この島の美を保ち続けて欲しいなと思います。

私も移住者であり、もともと住んでいた人たちの気持ちには到底追い付きません。
もちろん、観光客が増えてその恩恵を受けている事は沢山あります。
ですが、今見ているその美しい景色はその地で暮らして来た人たちが
それまで大切に守り続けて来たからこそであることを忘れずに
共に守っていく、という気持ちを持って環境や人に配慮したいと思います。

次の記事でご紹介するウンジャミ(海神祭)は、紹介するのをどうするか迷いました。
島の人の神行事であり、他人が押し入って良いものかと悩んだ末
区長に許可を得てご紹介させていただきます。
記事を読んで、行ってみたい、見てみたい!という気持ちは分かります。
どうしても、という場合は公民館で相談してください。
邪魔にならずにそっと見学する方法を教えてくれるかもしれません。
あくまで神行事だ、ということをお忘れなきようお願いします。

古宇利島は歩いて散歩しても楽しい島です。
半径約1km、周囲が約8kmありますが大人がのんびり散歩するにはちょうど良い広さ。
ジョギングしに来ても良いですよね♪
古宇利大橋を渡ってすぐ左手の『ふれあい広場』に車を停車させてもらい
散策してみると思わぬ絶景に巡り会う事も
島民に会ったら「こんにちは〜」と挨拶すればニコニコ笑顔で返してくれます。
庭で宴会していたら「こっちおいで〜」と見ず知らずの人を招き入れてくれる事もしばしば。
そんな楽しい島。行って回って帰るでは勿体無い!
是非、隋の隅まで古宇利島観光をお楽しみください!

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-今帰仁村古宇利島

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